販売統計
SC販売統計調査報告 2003年10月
好材揃い“秋晴れ”が訪れた 1.3%
売上高の概況
2003年10月のSC売上高は、前年同月比 1.3% となつた。
2001年11月に0.4%のプラス成長を記録して以来、実に雌伏23ヶ月、約2年振りにその勇姿を水面上に現し、大いに好感の持てる“秋晴れ”の結果となった。
プラス成長への浮上要因としては、 ①「秋冷」を伴った順調な季節の訪れ ②ダイエーホークスの2回に亘る優勝記念セール ③残暑で戸惑いが生じていた9月の消費マインドの反動等が挙げられる。今期の好成績をきっかけにこの先プラス成長の持続が望まれる。
店舗形態別でみると、秋物衣料・夏の疲れを癒すサービス・紳士用品等の動きが活発化した「テナント」が2.3%(前月から5.7ポイントアップ)の大幅な回復振りを見せて大変好ましい状況に突入した一方で 「キーテナント」は全般的に浮上局面(△0.2%)にはあるものの家庭用品・食料品が今一つ振わずプラス成長に届かなかったのが惜しまれる。
立地別・地域別の状況は、周辺立地SCがまだ水面下ではあるが、中心・郊外立地SCはほぼ全国でプラス領域に転じており好調だった今期の成績を裏付けた。 地域別では、関東・中部・北陸・九州の4地域がプラス成長に転じた。なかでも関東( 3.6% 7.0アップ)・九州( 3.6% 5.7アップ)両地域の大幅な回復振りが注目に値する。
都市規模・地域別の状況では、全国的に売上回復への兆しが感じられる状況の中にあって、札幌市・大阪・神戸・北九州の大都市では、話題のSCが新規オープンしその影響をモロに被ったような売上不振状態が見られており、気懸かりな一面を覗かせた。
今期プラス成長を記録したSC数は265SC(47.0% 20.9 ポイントアップ 117SC増)と近年にない大幅な回復振りを示した。売上伸長率プラスSC数が過半に届いていないことが唯一残念な点であるが、SC全体がプラス領域に浮上したのは、売上回復の度合の大きさを物語っていると言える。
好結果を記録した今期の成績を支えた売上好調SCが成功要因として挙げたBest3は、①イベント奏効(59sc) ②リニューアル実施(32sc) ③新規テナント(29sc)であった。
SCにとって最重要商戦の前哨戦となる次月11月、大幅な売上回復振りを誇った今期の成績を「起爆材」として、一段の飛躍がSC売上高に期待される。
*本調査は、2002年末までに開設された全国のSC2,615SCの中から立地別・SC規模別に1,000SCをサンプル抽出し調査したものをまとめた。
*集計SC 573 SC 回収率57.3 % (集計対象SC数 564 SC)
SC・百貨店・チェーンストア 売上高前年対比
立地別・構成別 売上高伸長率
立地別・地域別 売上高伸長率
の各表はこちら