会長挨拶

一般社団法人日本ショッピングセンター協会　会長　菰田正信
（三井不動産株式会社　代表取締役会長）

　わが国のショッピングセンター（以下、ＳＣ）業界を取り巻く環境は、人口減少社会の進展、モノからコトへとシフトが強まる消費行動、Eコマースの急伸、訪日外国人客の増加など急速に変化しています。さらに、ＳＤＧｓ・環境に配慮した取組み、地域コミュニティとの連携や、最新のテクノロジーを駆使した顧客体験の向上といった要素がＳＣに求められるようになっています。これらの変化に対応するため、昨今は地域密着型のＳＣのほか、エンターテインメント施設を設けた時間消費型など、生活者の多様化するニーズに応える特徴的なＳＣが開業し、注目を集めています。

　転換期を迎えたともいえるＳＣ業界が、これからも成長を続けていくためには、業界唯一の団体である当協会が、会員の皆様の叡智を結集して変化に対応していく必要があると思います。当協会は、ＳＣに関する調査研究や出版といった活動だけでなく、業界の人材育成に力を注いでおります。通信教育やセミナー、協会が認定する資格制度「ＳＣ経営士」、次世代経営者層の育成を目指すビジネススクール「ＳＣアカデミー」といった人材育成事業がその中核です。今後、こうした活動をいっそう活発化させることが業界の成長につながると考えております。

　いま人材に関する大きな課題として、少子高齢化及び生産年齢人口減少等を背景とした人材不足があげられます。人材育成とともに重要なこの課題に対して、当協会ではテナント企業の人材不足の実態を把握し、対応策を提言するほか、「ＳＣ接客ロールプレイングコンテスト」と連動させて導入した、販売スタッフ向けの資格制度「ＳＣ接客マイスター制度」を活用し、多面的にＳＣ業界における人材確保の方向性を探っております。

　当協会ではこの転換期に、サービスメニューだけでなく情報提供の仕方も含めて、多様な会員ニーズにタイムリーに対応できるよういっそう努めてまいります。

※菰田正信会長の略歴・写真は下記よりダウンロードして下さい。