販売統計
SC販売統計調査報告 2003年06月
回復基調へほのかな兆しが見えた △ 1.4 %
売上高の概況
2003年6月のSC売上高は、前年同月比 △1.4%であった。プラス成長への脱出はかなわなかったが前月に比べて1.2ポイントの大幅なアップとなって今後に期待感を持たせる結果となっている。
これらを誘引した要因としては、「SARS騒動」の沈静化、株価の回復、ボーナス支給等々消費マインドを刺激するいくつかの「好材」が出現したことによるものと推測される。内閣府の6月景気ウオッチャー調査においても街角景況感が前月より3.7ポイント上昇した結果が発表され、今期のSC売上成績を裏付けた。
業態別では、テナントの前年同月比 △ 0.7 %の健闘が光っている。前月から 1.3ポイント改善され、プラス領域への突入も目前の状況となっている。明るさを見せた消費行動への素早い対応が奏功したと云えそうだ。キーテナントは前年同月比 △ 2.5%とまだ苦戦しているものの前月より 1.2 ポイント改善されており今後に期待感を抱かせている。
地域別に見てみると、前年「ワールドカップ」ブームでSCから客足が遠のき売上不振に陥っていた大都市SCが奮起し、売上を伸ばしているのが注目される。特に千葉市(+3.8%)、横浜市(+4.4%)、川崎市(+2.2%)、広島市(+1.7%)のプラス成長は特筆される。その他の地域では、新規SCのオープン景気が落ち着きを見せてきたものの未だその影響を受けている北海道地区と九州地区SCに苦戦状態が続いている。特に、九州地区では、月末に台風6号が襲来し挽回を狙った月最後の週末に追い込みがかからなかったことが響いた。
今期、プラス成長を記録したSC数は183 SC(32.8% 7.6ポイントアップ 49SC増)となっており、久々に明るいムードを漂わせたSC売上高となっている。
次月7月は、夏物商戦真っ只中の1ヶ月となるが、長梅雨の兆候が見られ、SCの売上にとって決して好ましい状況とは言い難いことが予想されるが、今期の成績を足がかりに一層の飛躍が望まれる。
*本調査は、2002年末までに開設された全国のSC2,615SCの中から立地別・SC規模別に1,000SCをサンプル抽出し調査したものをまとめた。
*集計SC 563 SC 回収率56.3 % (集計対象SC数 558 SC)
SC・百貨店・チェーンストア 売上高前年対比
立地別・構成別 売上高伸長率
立地別・地域別 売上高伸長率
の各表はこちら