販売統計
SC販売統計調査報告 2003年04月
沈滞ムード漂う 前年同月比 △2.0%
売上高の概況
2003年4月のSC売上高は、前年同月比△2.0%となった。前月に比べて0.1ポイントダウン、売上回復の兆しが感じられないままの低空飛行で、新年度のスタートを飾ることができなかった。懸念されていたイラク戦争も上旬にほぼ終結し、中・後半に挽回に期待がかかったが、ジワリジワリと押し寄せてきた「SARSの脅威」や短い周期で低気圧が日本列島を通過し、各地が天気不順に見舞われこと等、期待を打砕くような悪材の連続で、SCの4月売上が沈滞ムードに覆われた。
立地・業態別では、テナントは前月の状態をどうにか維持する健闘が見られるもの △ 1.5%の水面下、キーテナントは週末の天候不順が大きく影響して主力の春・初夏物衣料品が振るわず、前月から0.5ポイントダウンの△2.8%を記録、いずれも今期のSC成績を象徴するようなマイナス成長に陥っている。
地域別に見てみると、前月健闘が光っていた中国地区SCが再びマイナス成長に落ち込み、全地域が水面下で喘ぐという好まざる状況となっている。 特に北海道、九州・沖縄地区は、話題となったSCがオープン、既存SCがその余波をモロに受けたようで、それぞれ△12.2%,△7.3%の大幅な落ち込みを記録、先行きに不安感を漂わせている。
この現象は都市規模別でも顕著にみられている。札幌市が△12.2 %、北九州市は△5.9%、福岡市も△4.3%となり今期のSC総合(△2.0%)を大きく下回っている。オープン景気も一段落する次月あたりの挽回が望まれる。こうした中で、横浜市が0.9%、川崎市が1.6%と前月に続いてプラス成長を維持しているのが大きな評価に値する。
売上効率の前年比を見ると、SC総合が△2.9%、テナントは△2.8%、キーテナントも△3.0%と「売上高前年比」の値をいずれも下方に上回っており「客単価の減少」が裏打ちされた形で売上不振に追い討ちをかけている。
SC売上高に沈滞ムードが漂った今期は、プラス成長を記録したSCは161SC(31.4%)、前月の160SC(31.3%)より「1SC」増加したにも拘らず売上高比では前月を0.1ポイント下回った。売上低迷の深度化が気掛かりになってくる。
次月5月は、ゴールデンウィークという絶好の場面が到来し、年初以来の不振をここで一気に挽回しようとの各SCの意気込みがヒシヒシと感じられてくる。冷え切った消費者マインドを「五月晴れ」さす好材は未だ乏しい状況が続いているが、日頃から培ったSC運営力を存分に発揮して、このチャンスをものにし売上回復へ向けての浮上が望まれる。
*本調査は、2002年末までに開設された全国のSC2,615SCの中から立地別・SC規模別に1,000SCをサンプル抽出し調査したものをまとめた。
*集計SC 521 SC 回収率52.1 % (集計対象SC数 513 SC)
SC・百貨店・チェーンストア 売上高前年対比
立地別・構成別 売上高伸長率
立地別・地域別 売上高伸長率
の各表はこちら