販売統計

SC販売統計調査報告 2003年02月

世界情勢の不安感つのり“春の訪れ”未だ 前年同月比 △1.2 %

売上高の概況

2003年2月のSC売上高は、前年同月比 △ 1.2 %となった。内閣府が発表した2月の景気ウオッチャー調査では、景況感が1月に比べ2.8ポイント上昇し、特に小売関連では前月に比べ5ポイント上昇している。しかし、その中身をよくみてみると、改装効果、競合店の閉鎖などが見られ、一概に消費者の購買意欲が向上したとは言いがたい。2月の全般的な傾向は、バレンタインは比較的好調であった事と、前半は冬物バーゲンを引きずり、後半は春物商品の動きが鈍いということがあげられる。また、卒業、入学、新入社の関連商品が動きだす月が2月だが、消費者の手控え、すぐに飛びつかずじっくりと選ぶという傾向が強く、出足が鈍くなっているようだ。この傾向はSC売上にも反映され、キーテナントが百貨店では依然高額商品の買い控え、GMSでは単価の下落傾向が続き、2月は全体で△2.1%と相変わらず低迷、それに対してテナントの減少幅は△0.7%と1月に比べて0.8ポイント改善しており、テナントの頑張りが目立った。その結果SC全体の売上は△1.2%となり1月よりも0.9ポイント改善した。

SC全体で見ると、好調要因に占める44%がリニューアル、またはテナントの新規入店を理由にしており、イベントの実施と合わせて何らかの手を常に打つ必要が感じられる。テナントでは、不調テナントで一番に挙げられているのが飲食で、相変わらず業界全体が浮上しないことがわかる。キーテナントは、GMSがその大部分を占めることもあり、やはり食品が好調かどうかで、SC全体の売上げに影響を与えるが、GMS全体ではまだ客単価の低下傾向がみられるようだ。地域別にみると、政令指定都市では仙台、千葉、横浜、川崎、北九州がプラスになっている。大きな落ち込みを見せたのが神戸(△7.4%)、札幌(△3.9%)、広島(△3.9%)の3都市だが、例えば札幌の雪祭りでは観光客の数が前年を下回ったということなどが影響しているようだ。地域で唯一関東が0.6%のプラス成長に転じている。景気ウォツチャー動向でも、販売量が動いているという意見と客単価の下落が止まらないという両方の意見があるようだ。

不安感が漂った2月のSCの中でプラス成長を記録したSCは190SC(37.7%)と前月の144SC(29.5%)に比べて46SCの増加シェアで8.2ポイントアップしており、その結果が前月(平成15年1月)に比べて落ち込み幅が少なかった原因であろう。しかし3月は日経平均株価が7000円台に一時突入すると共に、イラクへの米・英国の攻撃が始まるなど2月以上に景気の不安定感が出てきており、予測しがたい様子になっている。


*本調査は、2002年末までに開設された全国のSC2,615SCの中から立地別・SC規模別に1,000SCをサンプル抽出し調査したものをまとめた。
*集計SC 520 SC 回収率52.0 % (集計対象SC数 504 SC)

SC・百貨店・チェーンストア 売上高前年対比
立地別・構成別 売上高伸長率
立地別・地域別 売上高伸長率

の各表はこちら


  • NECネクサソリューションズ
  • 日本ショッピングセンター協会50周年特設サイト
  • 広告募集
  • 広告募集
ページのトップへ