販売統計

2023/02/27 更新 SC販売統計調査報告 2022年年間(速報)

既存SC前年比  : +8.6% (参考・2019年比 : ▲11.8%)
【速報値】SC年間売上高(推計) :28兆1,834億円
(前年比+9.1%・消費税抜・全SCベース)

行動制限緩和による来館者増で売上回復基調

全表はこちら
(参考)2019年比・全表はこちら

全体概況

  • 2022年(暦年)の既存SC売上高(総合)は、年間を通じて新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2021年比で+8.6%の伸長率となった。コロナ禍前の2019年比では▲11.8%となったが、2021年の同▲19.6%からは着実にマイナス幅が縮小し、売上回復基調が続いた。
  • テナントは前年比伸長率+10.3%となった。2022年は営業時間短縮やアルコール提供の制限などがなくなり、飲食業種の売上が伸びたことが好調の一因となった。ファッション業種では、外出需要の高まりにより、靴や鞄、スーツケースなどのファッション雑貨が好調であった。サービス業種では、外出機会の増加により、アミューズメントやシネマが好調という声が聞かれた。
  • キーテナントは前年比伸長率+2.1%となった。外出需要の増加やインバウンドの再開にともない、中心地域の百貨店は好調だったものの、巣ごもり消費が一服したことでGMSやスーパーの売上が伸び悩み、低い伸長率にとどまった。
  • 月別の動向をみると、36都道府県でまん延防止等重点措置が発出されていた2月(総合・前年同月比伸長率▲4.4%)を除き、前年比プラスで推移した。3月(+2.3%)は、まん延防止等重点措置が下旬に解除され、来館者数が回復した。4月(+12.6%)、5月(+29.9%)、6月(+10.6%)は、前年の全国的な宣言等発出による売上の落ち込みの反動がみられ、2桁台のプラスが続いた。7月(+5.5%)は、中旬以降の全国的な感染者急増により来館者数が減少し、伸び悩んだ。8月(+15.8%)、9月(+12.7%)は、行政による行動制限がない3年振りの夏休みやシルバーウィークとなり、観光・帰省客の来館が増えたSCが多かった。10月(+9.2%)、11月(+2.3%)、12月(+4.9%)は、全国旅行支援による観光需要の高まりや、インバウンドの本格再開も売上増に寄与した。

[立地別]

  • 中心地域・大都市は総合で前年比伸長率+17.5%と、他の立地と比較すると伸長率が最も高かった。「大都市」は、3月下旬以降、行動制限が解除され、外出機会が増加し、広域からの来館者が増加した。前年の緊急事態宣言の影響による売上の大きな落ち込みの反動もあり、2桁台の伸長率となった。10月以降は全国旅行支援による観光客増や、インバウンド再開も売上増に寄与した。
  • 中心地域・中都市は総合で前年比伸長率+9.5%、周辺地域は総合で前年比伸長率+6.4%となった。行動制限の影響があまりなかった周辺地域の地域密着型SCは、コロナ禍での落ち込みも大都市と比べて小さかったため、堅調に推移した。

[地域別]

  • すべての地域で中心地域、周辺地域ともに前年比プラスとなった。
  • 北海道は、総合で前年比伸長率+16.4%となった。2月はまん延防止等重点措置に加えて、札幌などで記録的な大雪で交通機関が大幅に乱れたことが影響し大幅なマイナスとなったが、4月以降は行動制限緩和により県外からの旅行客や帰省客の来館者数が増え、10月以降はインバウンド再開の影響もあり、売上増となった。コロナ禍での落ち込みが最も顕著であった反動もあり、テナント、キーテナントともに他地域と比較して伸長率が最も高かった。
  • 関東は、総合で前年比伸長率+8.8%となった。前年よりもオフィスワーカーの出社率が増加したことにより、オフィス街立地や繁華街立地のSCの多くが前年を大幅に上回った。10月以降は、大都市を中心に全国旅行支援の本格化に伴う旅行客増やインバウンド売上の増加が好影響となったとの声が聞かれた。
  • 近畿は、総合で前年比伸長率+9.4%となった。前年、大阪府、京都府、兵庫県において、休業要請の対象から外れる生活必需品が食料品・医薬品等に限定されるなど他の自治体よりも厳しく、大きく売上を落とした反動があり、とくに中心地域では+19.0%と前年を大きく上回った。
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