既存SC前年同月比 : ▲11.3%
前半は改善の兆しがみられるも、後半は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け伸び悩む
全体概況
・11月度の既存SC売上高(総合)は前年同月比▲11.3%となった。GoToイベントやプレミアム付商品券などの消費喚起策の後押しを受けたSCもあり、テナントは同▲12.5%、キーテナントは▲6.7%となった。マイナス幅は消費増税の影響を受けた10月を除くと緊急事態宣言解除後の6月以降では最小となった。
月の動きをみると、初旬は「GoToトラベル」なども後押しとなり、前月から継続して客足も堅調で順調なスタートを切った。しかしながら、中旬は季節外れの夏日を記録するなど気温が高めに推移し秋冬物の商材が伸び悩んだ。加えて、月後半に向けて全国的に新型コロナウイルスの感染が拡大し、25日には政府が「勝負の3週間」として感染拡大防止を呼びかけたこともあり来館者が減少し売上は伸び悩んだ。
・立地別・構成別は、総合で中心地域が▲19.6%、周辺地域が▲7.3%となった。中心地域のなかでも回復が遅れていた大都市は総合で▲23.4%となり10月を除く6月以降で初めて20%台のマイナスにおさまった。周辺地域も6月以降10月を除いて10%台のマイナスが続いていたテナントは、家庭用品、雑貨等の巣ごもり需要もあり▲8.5%まで回復し、総合で▲7.3%となった。
・立地別・地域別をみると、新型コロナウイルスの感染拡大が早かった北海道(※)は総合で▲33.7%と6月以降で最大のマイナスとなった。四国の周辺地域はキーテナントの回復が顕著で+0.8%と前年同月を上回った。※北海道は11月7日に道独自の警戒ステージを2から3に引上げ。17日には札幌市民を対象に外出自粛を要請。
・都市規模別・地域別をみると、総合で大都市は▲17.1%、その他の地域は▲6.9%となり、両者ともに10月を除く6月以降で最もマイナス幅を縮めた。都市、地域単位でみると、新型コロナウイルスの影響が大きかった北海道は札幌市内が▲34.2%、札幌市を除いた地域が▲31.5%と大幅に落ち込んだ。また、仙台市(▲18.7%)の他、東京区部(▲19.0%)、名古屋市(▲19.9%)、大阪市(▲20.5%)に代表される大都市では県を跨ぐ広域商圏のSCが苦戦し20%程度のマイナスが続いた。一方で、その他の地域では、デイリーニーズに強い足元商圏が中心のSCが堅調で、北海道、東北を除いた7地域でマイナスを1桁台にとどめた。
・業種別の動向を見ると、食料品、家庭用品、雑貨などは引き続き堅調だった。一方で、飲食はGoToイートが下支えとなるも不振が続いた。加えて、衣料品は気温が高めに推移したこともあり秋冬物の販売が振るわなかった。