既存SC前年同月比 : ▲4.0%
シネマの好調が飲食を牽引するも、秋物衣料が苦戦し2ヶ月連続マイナス
全体概況
- 9月度の既存SC売上高は、月前半の残暑による衣料品の不振と、天候不順の影響により客足が鈍ったことにより総合で前年同月比▲4.0%(前月▲4.4%)、テナントが▲3.8%(同▲4.3%)、キーテナントが▲4.7%(同▲4.7%)と2ヶ月連続マイナスの厳しい結果となった。
- 立地別(表-1)では、総合では中心地域が▲3.6%(前月▲3.7%)と前月からほぼ変わらず。周辺地域が▲4.2%(前月▲4.7%)で前月からやや改善した。中心地域/中都市ではキーテナントが百貨店のSC売上が奮わず▲7.9%(前月▲8.3%)と大きくマイナスとなった。
- 地域別(表-2)では、東北を除く8地域がマイナスとなった。九州・沖縄は前々月5.6%、前月±0.0%、9月度が▲5.1%となり、復興需要の落ち着きとともに、落ち込みが大きくなっている。
- 都市規模別(表-3)では、政令指定都市の総合が▲3.0%(前月▲3.2%)、その他の地域の総合が▲4.8%(前月▲5.2%)となり地方で苦戦した。総合で唯一プラスとなった仙台市(5.3%)も中心部以外の売上は厳しかった。広島市はプロ野球チームの優勝関連セールが売上を牽引し総合で▲1.8%(前月▲3.1%)とマイナスだったものの、前月から1.3ポイント伸長した。
- 業種としては飲食の好調が続いているが、特に今月は映画作品のヒットが飲食にプラスに作用した。一方で月前半は残暑が厳しく秋物衣料が不調であった。
トピックス
9月度は、天候に恵まれなかったことに加えて、前年同月比で休日が1日減、昨年売上に貢献したシルバーウィークも昨年の5連休に対して今年は3連休と短いなど客数を増やしにくい環境であった。一方で、シネマの好調が飲食に波及するなど複合施設としての強みも垣間見ることができた。