既存SC前年同月比売上高伸長率 :+2.7%
セールや夏休みで来館者が増え、猛暑による盛夏アイテムが稼働し前年超え
全体概況
- 7月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+2.7%となった。
- 多くのSCでサマーセールの実施や夏休みに入り来館者が増加し、猛暑により衣料品や雑貨などの盛夏アイテムが高稼働したことで売上げが前年超えとなった。一方で、前年に比べて休日日数が2日減ったことで来館者が減少し、前年を下回ったSCもみられた。
- 立地別にみると、中心地域は総合で+5.5%、周辺地域は+1.4%となった。なかでも中心地域・大都市が増加するインバウンド客の来館などにより好調だった。
- 業種別にみると、「ファッション」は前月に引き続き夏物軽衣料が好調で、なかでも速乾や接触冷感などの機能性衣料が稼働した。「雑貨」は、猛暑により日傘やサングラスなどの紫外線対策商品、ハンディファンや冷感グッズなどの暑さ対策商品が高稼働した。「飲食」は、夏休みに入ったことで旅行客や家族連れが多くみられ、全国的に好調だった。
[立地別]
- 中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+7.1%となった。ターミナル駅周辺のSCや駅ビル、地下街が好調で、インバウンド客の来館が多くみられた。
- 中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+1.8%、キーテナントは前年同月比伸長率▲2.4%となった。館内イベントや館周辺のイベント開催で来館者が増加したSCは好調だった一方、休日日数が2日減ったことで来館者が減少したSCは不調だった。
- 周辺地域は総合で前年同月比伸長率+1.4%となった。レジャー需要にも対応する広域商圏の大型SCや観光地のSCは好調だったが、猛暑により高齢者を中心に来館が減っているというSCもみられた。
[地域別]
- 東北は総合で前年同月比伸長率▲1.6%と地域別で唯一前年を下回った。前年に比べて休日日数が減ったことに加えて月後半の雨天により来館者が減ったとの声が聞かれた。また、テナント退店により苦戦したSCもみられた。
- 関東は総合で前年同月比伸長率+2.4%、中部は総合で前年同月比伸長率+4.4%、近畿は総合で前年同月比伸長率+3.4%となった。とくにインバウンド客の来館があった大都市のSCが好調だった。一方、周辺地域では猛暑により暑い時間帯の来館者が減ったSCもあった。休日日数の減少により前年を下回ったSCもみられたが、曜日対比では前年を上回っているとの声も聞かれた。
- 九州・沖縄は総合で前年同月比伸長率+6.0%となり、地域別で最も伸長率が高かった。観光地のSCやインバウンド客の来館があったSCがとくに好調だった。
[業種別]
- 「ファッション」は、サマーセールが本格稼働したが、セール商品だけでなくプロパー商品と組み合わせて販売することで売上げを伸ばしたというSCが多かった。前月に引き続き夏物軽衣料が好調で、なかでも速乾や接触冷感などの機能性衣料が稼働した。一方、猛暑の影響でスーツなどの紳士衣料は苦戦した。
- 「雑貨」は、猛暑により日傘やサングラスなどの紫外線対策商品、ハンディファンや冷感グッズなどの暑さ対策商品が高稼働した。売れ筋商品については欠品も発生しているとの声も聞かれた。
- 「飲食」は、引き続き全国的に好調で冷たい季節商品が稼働した。夏休みに入り、旅行客や家族連れが多くみられたほか、インバウンド客の来館があったSCでは高単価メニューが稼働した。