既存SC前年同月比売上高伸長率 :+4.8%
月後半からの気温上昇、ゴールデンウィークの外出需要により前年を上回る
全体概況
- 4月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+4.8%となった。
- 前年に比べて休日日数が1日少なかったものの、月後半からの気温上昇による季節商材の稼働や、ゴールデンウィークに伴う旅行客、帰省客の来館により、前年を上回った。
- 立地別にみると、中心地域は総合で+7.7%、周辺地域は+3.4%となった。なかでも中心地域・大都市がインバウンド客などの来館により好調だった。
- 業種別にみると、「ファッション」は月後半からの気温上昇により、春物商材だけでなく夏物商材も稼働した。「雑貨・化粧品」は、気温上昇やゴールデンウィークの外出需要により、紫外線対策や冷感アイテムなどが好調だった。「飲食」は国内外旅行客や近隣イベント参加客の来館、歓迎会などのグループ利用が好調で、館の売上げを牽引した。
[立地別]
- 中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+10.1%となった。円安の影響もあり、インバウンド客の来館で高価格帯商品が稼働し、売上増につながったSCが多かった。旅行客やオフィスワーカーの来館が多いターミナル駅周辺のSC、駅ビルなど駅直結のSC、地下街がとくに好調だった。
- 中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+3.1%となった。ゴールデンウィーク中に旅行客や帰省客の来館があったSCは好調だった一方、テナント退店や月前半の天候不順で衣料品の動きが鈍かったことにより、苦戦したSCもみられた。
- 周辺地域は総合で前年同月比伸長率+3.4%となった。レジャー需要にも対応する広域商圏の大型SCや館の販促イベントがあったSCが好調だった。
[地域別]
- 関東は総合で前年同月比伸長率+4.8%、中部は総合で前年同月比伸長率+6.2%、近畿は総合で前年同月比伸長率+5.8%となった。月前半は天候不順で衣料品を中心に苦戦したSCが多かった一方、桜の開花が4月にずれ込んだことで花見客の来館が増えたSCもあった。月後半からは天気が回復し気温が上昇したことで、春夏衣料、雑貨などの季節商材が稼働した。地下街や駅ビル、観光地のSCではインバウンド客が多くみられた。
- 北陸は総合で前年同月比伸長率+4.1%となった。中心地域は+9.5%となり、地域別の中心地域としては3番目に高い伸長率だった。4月26日まで実施された「北陸応援割」による国内旅行客の来館に加え、インバウンド客、ゴールデンウィーク中の帰省客の来館が売上げにつながった。
- 九州・沖縄は総合で前年同月比伸長率+5.1%となった。駅ビルや広域商圏の大型SCがとくに好調だった。韓国や台湾からのインバウンド客の来館によるまとめ買いもみられた。
[業種別]
- 「ファッション」は、月後半から気温が上昇したことで春物商材の消化が進み、夏物商材も本格的に稼働した。夏まで使える薄手のアウターや半袖アイテム、綿麻素材などの軽衣料が好調だった。一方、月前半の天候不順により季節商材の売上げが伸びなかったとの声も聞かれた。
- 「雑貨・化粧品」は、気温上昇やゴールデンウィークの外出需要により、紫外線対策や冷感アイテムなどが好調だった。
- 「飲食」は、国内外旅行客や近隣イベント参加客の来館、歓迎会などのグループ利用が好調で、館の売上げを牽引した。