プレスリリース

2024/02/26 更新 SC販売統計調査報告 2023年年間(速報)

既存SC前年比  : +9.6% (参考・2019年比 : ▲4.2%)
【速報値】SC年間売上高(推計) :30兆8,787億円
(前年比+9.9%・消費税抜・全SCベース)

新型コロナウイルス5類移行による外出機運の高まりやインバウンド客増が売上げに寄与し、前年を上回る

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(参考)2019年比・全表はこちら

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全体概況

  • 2023年(暦年)の既存SC売上高(総合)は、2022年比で+9.6%の伸長率となった。コロナ禍前の2019年比では▲4.2%となったが、2022年の同▲11.8%からは着実にマイナス幅が縮小し、売上回復基調が続いた。
  • キーテナントを除くテナントは前年比伸長率+10.7%となった。2023年は1月に全国旅行支援が再開したことや4月に水際対策措置が撤廃されたことで、国内旅行客やインバウンド客の来館が売上げに寄与した。ファッション業種では、猛暑の影響で盛夏衣料が高稼働した一方、秋以降はなかなか気温が下がらなかったため秋冬衣料は苦戦した。飲食業種は、旅行客や近隣イベント参加客などの来館により、一年を通して好調だった。
  • キーテナントは前年比伸長率+5.5%となった。旅行客やインバウンド客の来館により、とくに百貨店が好調だった。食料品を扱うスーパーは、商品の価格高騰により客単価が増加した。
  • 月別の動向をみると、2020年のコロナ禍以降初めて、通年で前年比プラスで推移した。1月(+11.1%)は、全国旅行支援が再開し、寒波の影響で重衣料が稼働したことで2桁台のプラスとなった。2月(+19.9%)は、前年同月にまん延防止等重点措置があった反動や引き続き実施されていた旅行支援により、全国的に好調だった。3月(+11.5%)、4月(+10.4%)は、マスク着用が個人判断になったことや旅行支援、春休みなどで来館者が増え、2桁台のプラスが続いた。5月(+7.6%)、6月(+7.5%)は、新型コロナウイルスの5類移行で外出機運が高まったことや、国内外の旅行客の来館が売上げにつながった。7月(+12.4%)、8月(+12.2%)は、全国的に猛暑が続き盛夏商材が高稼働した。9月(+7.5%)、10月(+5.0%)は、気温が高い日が続いたことで秋物商材が苦戦したものの、インバウンド客の来館や飲食業種の好調によって前年を上回った。11月(+8.9%)は、月後半から気温が低下したことで冬物商材が稼働した。12月(+4.6%)は、暖冬の影響で冬物商材が苦戦したが、冬休みや忘年会需要で飲食業種が売上げを牽引した。

[立地別]

  • 中心地域・大都市は総合で前年比伸長率+17.2%と、他の立地と比較して最も伸長率が高かった。国内外の旅行客や通勤客の戻りにより、10月、12月を除いて2桁台の伸長率となった。大都市のなかでも、観光地、ターミナル駅周辺、地下街のSCがとくに好調だった。
  • 中心地域・中都市は総合で前年比伸長率+8.2%だった。全国旅行支援実施期間は観光地のSCがとくに好調だった一方、足元商圏に強い地域密着型SCでは客足が流れたとの声が聞かれた。
  • 周辺地域は総合で前年比伸長率+7.7%だった。新型コロナウイルスの感染状況の落ち着きや5類移行により、来館者数が戻ってきているとの声が聞かれた。観光地のSCやレジャー需要にも対応する広域商圏の大型SCが好調だった。

[地域別]

  • 北海道は総合で前年比伸長率+24.1%となり、中心地域、周辺地域ともに他地域と比較して最も伸長率が高かった。国内外の旅行客の来館が売上げにつながり、5月、7月、8月、10月から12月でコロナ禍前の2019年を上回った。
  • 関東は総合で前年比伸長率+9.4%、中部は総合で前年比伸長率+10.1%、近畿は総合で前年比伸長率+9.1%となった。大都市を中心にインバウンド客の来館が多く見られた。大都市以外では、SC周辺で開催されたイベント参加客の来館や、大型専門店のセール、館のポイント施策などが売上げにつながった。
  • 九州・沖縄は総合で前年比伸長率+12.7%となった。6月から9月、11月で他地域と比較して最も伸長率が高かった。インバウンド客の来館に加え飲食業種が高稼働したことで、とくに福岡市が好調だった。

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