既存SC前年同月比売上高伸長率 :+4.6% (参考・2019年同月比 :▲0.4%)
暖冬の影響で冬物衣料が不調も、食料品や飲食が売上げを牽引し前年を上回る
全体概況
- 12月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+4.6%となった。
- 全国的に寒気が弱く暖冬となったことで、冬物衣料の動きが鈍かったSCが多かった。クリスマスや忘年会、冬休みに入ったことで飲食業種が売上げを牽引し、前年超えとなった。2019年比では総合で▲0.4%だった。
- 立地別にみると、中心地域は総合で+6.8%、周辺地域は+3.5%となった。国内外の旅行客やオフィスワーカーなどの来館により、とくに中心地域の大都市が好調だった。
- 業種別にみると、「ファッション」は月中旬まで気温が下がらなかったことで冬物のアウターやブーツ、服飾雑貨が不調だった。「食料品」はクリスマス需要の洋菓子や、年末年始に向けたまとめ買いで好調だった。「飲食」は忘年会需要で大人数の予約が増えたことで好調だった。
- 年末年始の動向としては、年末はレジ客数・売上高・客単価ともに前年より増加したSCが多く、食料品が好調だったとの声がきかれた。年始は年末ほどの盛り上がりがなく、福袋をやめてセールに移行しているSCもみられた。また、福袋は衣料品よりも食物販が好調との声がきかれた。
[立地別]
- 中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+8.3%となった。インバウンド客の来館があったSCは大幅な伸びにつながった。旅行客や来街客、オフィスワーカーの来館が多いターミナル駅周辺のSCや地下街がとくに好調だった。
- 中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+4.2%となった。旅行客や帰省客の来館が多い駅ビルや駅周辺SCがとくに好調だった。
- 周辺地域は総合で前年同月比伸長率+3.5%となった。レジャー需要にも対応する広域商圏の大型SCや観光立地のSCがとくに好調だった。
[地域別]
- 北海道は総合で前年同月比伸長率+4.6%だった。全国的に暖冬だったなか、北海道は気温の低下や降雪により、アウターなどの高単価な重衣料やブーツなどの冬物商材が稼働し売上げにつながった。とくに中心地域はインバウンド客の来館により、2桁伸長となった。
- 関東は総合で前年同月比伸長率+5.2%、中部は総合で前年同月比伸長率+4.4%、近畿は総合で前年同月比伸長率+4.8%となった。気温が高かったことでアウターやブーツなどの冬物商材が不調だった。一方で、クリスマスや年末需要により、食料品や飲食が好調だった。
- 四国は総合で前年同月比伸長率▲0.9%だった。前年同月は全国旅行支援の実施により域外からの旅行客の来館があったが、当月は旅行支援が終了している地域もあったことから、反動減となった。
- 九州・沖縄は総合で前年同月比伸長率+4.4%だった。インバウンド客の来館により飲食がとくに好調だった。都市規模別にみると福岡市が+9.7%となり、大都市のなかでもっとも伸長率が高かった。
[業種別]
- 「ファッション」は、全国的に寒気が弱く暖冬となったことで冬物衣料の動きが鈍かった。月中旬から寒気が強まり気温の変動が大きくなったことで、冬物商材が稼働したSCもみられた。また、本セール待ちのためプロパー商品の購買意欲が低下しているとの声もきかれた。
- 「食料品」は、クリスマス需要により洋菓子や総菜が好調だった。年末年始に向けたまとめ買いもみられた。
- 「飲食」は、クリスマスや忘年会需要により大人数の予約があり、好調だった。冬休みに入ったことも好調を後押しした。
- その他、ギフト需要で化粧品や雑貨、アクセサリーなども稼働した。