既存SC前年同月比売上高伸長率 :+7.5% (参考・2019年同月比 :▲12.6%)
記録的な残暑により秋物衣料が苦戦するも、飲食業種が売上げを牽引し前年を上回る
全体概況
- 9月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+7.5%となった。
- 記録的な残暑により秋物衣料の動きが鈍かったSCが多かったが、国内旅行客やインバウンド客の来館、館周辺でのイベント開催により飲食業種が売上げを牽引し、前年超えとなった。また、前年同月に台風のため臨時休業や営業時間短縮を行ったSCは反動増となった。
- 2019年9月は10月からの消費税増税前の駆け込み需要もあったため、2019年比は総合で▲12.6%となった。
- 立地別にみると、中心地域は総合で+12.8%、周辺地域は+5.1%となった。国内外の旅行客などの来館により、とくに中心地域の大都市が好調だった。
- 業種別にみると、「ファッション」は残暑により盛夏商材のセール消化が進んだものの、秋物商材は苦戦した。「雑貨」はキャラクター商材や行楽需要による旅行用品が好調だった。「飲食」は猛暑のため冷たい商品や夏メニューが高稼働したことに加え、ディナータイムが盛況だったとの声が聞かれた。「サービス」はアミューズメントや美容、リラクゼーションが好調だった。
[立地別]
- 中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+16.2%となった。国内外の旅行客や館周辺でのイベント開催による来館で、大幅な伸びにつながった。通勤客や旅行客の往来が多いターミナル駅の駅ビルや地下街がとくに好調だった。
- 中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+6.7%となった。観光立地のSCや、館周辺での地域イベントがあったSCがとくに好調だった。
- 周辺地域は総合で前年同月比伸長率+5.1%となった。残暑により秋物衣料の売れ行きが鈍く、売上げが伸び悩んだSCもみられたが、レジャー需要にも対応する広域商圏の大型SCや販促イベントがあったSCは好調だった。
[地域別]
- 関東は総合で前年同月比伸長率+6.3%となった。秋物衣料の動きが鈍かったことで売上げが伸び悩んだSCもみられたが、国内外の旅行客、とくにインバウンド客の来館があったSCは2桁伸長と好調だった。
- 近畿は総合で前年同月比伸長率+9.9%となった。インバウンド客や館周辺でのイベント客の来館が多かったほか、阪神タイガースの優勝記念キャンペーンが売上げにつながったSCもみられた。
- 九州・沖縄は総合で前年同月比伸長率+14.4%と、他地域と比較して最も伸長率が高かった。とくに福岡市は大都市のなかでは+22.9%と最も高く、国内外の旅行客、とくにインバウンド客の来館で大幅な伸びにつながった。また、飲食業種が売上げを押し上げたとの声が多かった。
[業種別]
- 「ファッション」は残暑により盛夏商材のセール消化が進んだとの声がきかれた一方、秋物商材は苦戦した。月後半になり気温が下がってからは、羽織り物などの秋物商材が動き出した。
- 「雑貨」はキャラクター商材や行楽需要による旅行用品が好調だった。
- 「飲食」は旅行客やイベント帰りの来館客の利用が多かった。猛暑のため冷たい商品や夏メニューが高稼働したことに加え、ディナータイムが盛況だったとの声が聞かれた。
- 「サービス」はアミューズメントや美容、リラクゼーションが好調だった。