既存SC前年同月比売上高伸長率 :+12.2% (参考・2019年同月比 :▲6.2%)
新型コロナウイルス5類移行後初の夏休みによる外出機運の高まり、猛暑による盛夏商材の高稼働などにより、2桁伸長
全体概況
- 8月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+12.2%となった。
- 新型コロナウイルス5類移行後の初めての夏休みとなり外出機運が高まり、夏まつりや花火大会などの地域イベントやインバウンド客増加などの影響により、来館数が増えた。2019年と比較すると総合で▲6.2%となり、コロナ禍前は下回った。
- 立地別にみると、中心地域は総合で+18.9%、周辺地域は+9.4%となった。夏休みや館周辺でのイベント開催による来館増により、中心地域・周辺地域ともに好調だった。国内外の旅行客などが増加したことで、とくに中心地域の大都市が好調だった。
- 業種別にみると、「ファッション」は連日の猛暑により前月に引き続き盛夏商材が高稼働し、セール品の消化が進んだとの声がきかれた。「医薬・化粧品」はインバウンド客のまとめ買いがみられたほか、猛暑により紫外線対策商品が好調だった。「その他物販」は、帰省手土産として食料品のほか、プチギフトなどの雑貨が好調だった。「飲食」は大都市・中都市を中心に、旅行客やお盆の帰省客など家族連れが目立ち、好調だった。
[立地別]
- 中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+24.2%となった。国内外の旅行客や館周辺でのイベント開催による来館で、大幅な伸びにつながった。通勤客や旅行客の往来が多いターミナル駅周辺のSCや地下街がとくに好調だった。
- 中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+10.3%となった。館周辺で地域イベントなどがあったSCがとくに好調だった。
- 周辺地域は総合で前年同月比伸長率+9.4%となった。レジャー需要にも対応する広域商圏の大型SCが好調だった一方、テナント退店があり伸び悩んだSCもみられた。
[地域別]
- 北海道は、総合で前年同月比伸長率+15.2%となり、九州・沖縄に次いで2番目の伸長率だった。国内外の旅行客や夏休み、お盆休みによる帰省客、地域イベント開催などによる来館数の増加が要因となり、中心地域のSCでは8月としては過去最高売上を達成したSCもみられた。2019年比では総合で+3.5%と、地域別では唯一コロナ禍前を上回った。
- 関東は総合で前年同月比伸長率+12.7%となった。国内外の旅行客、とくにインバウンド客の来館数が増加したことで、大都市を中心に2桁伸長のSCがみられた。
- 近畿は総合で前年同月比伸長率+10.7%となった。台風7号の接近により8月15日に臨時休業したSCが多かったが、館周辺の地域イベントや館内イベントの実施により来館数が増加し、2桁伸長となった。
- 九州・沖縄は台風6号の接近により営業時間短縮を行ったSCもみられたが、総合で前年同月比伸長率+16.2%と、他地域と比較して最も伸長率が高かった。とくに福岡市は大都市のなかでは+26.3%と最も高く、インバウンド客や館周辺でのコンサート、野外イベント開催などによる来館数増加が売上げに寄与した。
[業種別]
- 「ファッション」は、連日の猛暑により前月に引き続き盛夏商材が高稼働し、セール品の消化が進んだとの声がきかれた。一方、月中旬から秋物商材が立ち上がったものの、気温が下がらなかったため動きが鈍かったとの声が多かった。
- 「医薬・化粧品」は、大都市を中心にインバウンド客のまとめ買いがみられた。また、連日の猛暑により、紫外線対策商品や冷感コスメが好調だった。
- 「その他物販」は、帰省手土産として食料品のほか、プチギフトなどの雑貨が好調だった。
- 「飲食」は大都市・中都市を中心に、旅行客やお盆の帰省客など家族連れが目立ち、好調だった。連日の猛暑により、コールドドリンクなど冷たいものを求めるお客様が多かったとの声がきかれた。