2023年3月
既存SC前年同月比売上高伸長率 :+11.5% (参考・2019年同月比 : ▲7.0%)
マスク着用緩和や季節イベントにより外出機運が高まり、3ヵ月連続2桁伸長
(確報)2022年・SC年間売上高(全SCベース・推計)
28兆897億円(前年比+8.7%・税抜)
全体概況
- 3月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+11.5%となった。
- 前年同月は3月21日まで全国的にまん延防止等重点措置が発出され外出自粛傾向が続いていたが、当年は行動制限がなかったことや引き続き実施された全国旅行支援により外出機運が高まったことで来館者数が増え、前年超えとなった。全国的に気温が上昇し、卒業式や入学式などのオケージョン需要も高まったことで衣料品が高稼働し、キーテナントを除くテナント売上では立地問わず2桁伸長となった。2019年と比較すると▲7.0%とコロナ禍前を下回っているが、国内外の旅行客に人気だった東北と北陸の中心地域では2019年を上回った。
- 立地別にみると、中心地域は総合で+18.2%、周辺地域は+8.3%となった。国内外の旅行客などが増加したことで、特に中心地域の大都市が好調だった。
- 業種別にみると、前年同月のまん延防止等重点措置の反動で、旅行客や歓送迎会の団体客を中心に飲食が好調だった。衣料品については月を通して気温が上昇したことで春物商材が高稼働した。また、卒業式や入学式などのセレモニー需要や新生活需要もあり、オケージョン商材も好調だった。
[立地別]
- 中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+22.9%となった。3月13日からマスク着用が個人判断となったことや全国旅行支援により外出機運が高まったことで国内外の旅行客が来館し、大幅な伸びにつながった。
- 中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+10.8%となった。全国旅行支援による旅行客の来館や、館イベント、ポイントキャンペーンなどの施策により来館が増えた。また4年ぶりとなったお花見などの行楽需要も売上増に寄与した。
- 周辺地域は総合で前年同月比伸長率+8.3%となった。前年の行動制限の反動と新型コロナウイルス感染対策の緩和により、来館者が戻ってきているとの声が聞かれた。キーテナントは+2.8%で、前年に巣ごもり需要のあったGMSやSMの伸びが、百貨店の多い大都市のキーテナント(+23.1%)と比較して微増にとどまった。
[地域別]
- 北海道は、総合で前年同月比伸長率+29.3%となり、中心地域、周辺地域ともに他地域と比較して最も伸長率が高かった。前年のまん延防止等重点措置で時短営業となっていた反動や、県外からの旅行客やインバウンド客の来館により引き続き好調だった。3月としては過去最高売上を達成したSCもみられた。
- 関東は、総合で前年同月比伸長率+11.3%となった。卒業式や入学式などのオケージョン需要や歓送迎会需要、またそれに伴う贈答ギフトなどが好調だった。東京区部では引き続きインバウンド客の来館が多いとの声が聞かれた。
- 近畿は、総合で前年同月比伸長率+10.5%となった。中心地域、周辺地域問わず、インバウンド客が目立つようになったとの声が聞かれた。
[業種別]
- 「飲食」は、前年同月にまん延防止等重点措置が発出されており時短営業を行っていた反動に加え、国内外の旅行客などの来館者数が増えたこと、さらに歓送迎会需要が高まったことにより好調だった。
- 「ファッション」は、旅行などで外出機運が高まったことや全国的に平年より気温が高めに推移したことで、春物商材が高稼働したSCが多かった。また、卒業式や入学式などのオケージョン需要に対応した商品や新生活に向けたフォーマル商材も好調だった。
- 新生活に向けて鞄や靴などの「ファッション雑貨」や「生活雑貨」の需要が高かったとの声が聞かれた。