既存SC前年同月比売上高伸長率 :+11.1% (参考・2019年同月比 :▲7.9%)
旅行客増や新年会需要による飲食好調、重衣料等の高稼働によるファッション好調で前年を上回る
全体概況
- 1月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+11.1%となった。
- 前年同月は段階的にまん延防止等重点措置が全国的に発出され、外出自粛傾向が高まっていたが、当年は行動制限がなかったことや1月10日から再開された全国旅行支援により、外出機運が高まり来館者数が増え、前年超えとなった。引き続き大都市や観光立地を中心にインバウンドも増加しており、来館者数および売上増加に寄与した。2019年と比較すると▲7.9%とコロナ禍前を下回っているが、東京区部のキーテナントが+0.1%と伸長しており、徐々にコロナ禍前の売上に戻りつつあるSCもみられた。
- 立地別にみると、中心地域は総合で+16.5%、周辺地域は+9.0%となり、中心地域がより伸長した。外出機運が高まったことや旅行客の増加により、特に中心地域の大都市が好調であった。
- 業種別にみると、前年同月のまん延防止等重点措置の反動で帰省や旅行、新年会需要による来館者数が増え、飲食が好調だった。また、数年に一度といわれる寒波の影響やセールの実施によって、アウターなどの重衣料や防寒アイテムが稼働した。
[立地別]
- 中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+21.3%となった。中でも札幌市、大阪市、福岡市は国内外の旅行客増加により来館者数が増え、前年比伸長率が20%を超えた。
- 中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+9.4%となった。県外からの旅行客やインバウンド増加の影響で飲食や土産品が好調だった。
- 周辺地域は総合で前年同月比伸長率+9.0%となった。前年の行動制限の反動と、寒波の影響でアウターや防寒アイテムが好調だったことが売上を押し上げた。
[地域別]
- 北海道は、総合で前年同月比伸長率+39.0%となった。中心地域、周辺地域の立地を問わず、引き続き県外からの旅行客や帰省客の来館者が増えたことやインバウンド客の増加により、テナント、キーテナントともに他地域と比較して最も伸長率が高かった。
- 関東は、総合で前年同月比伸長率+10.6%となった。正月イベントやキャッシュバックなどのキャンペーン実施が集客につながったSCが多くみられた。
- 近畿は、総合で前年同月比伸長率+10.1%となった。中心地域は+20.8%となり、北海道に次いで2番目の伸長率となった。旅行客などの来館者増加の影響で京都市を中心に2桁伸長率となったSCが多かった。周辺地域は+6.6%となり地域によって差が開いた。これは旅行や帰省に出る人が多く、地域密着型SCの来館者数が伸び悩んだことが原因とみられる。
[業種別]
- 「飲食」は、前年同月にまん延防止等重点措置が発出されていた反動と、旅行客などの来館者数が増えたことにより好調だった。ファミリー層や新年会などの需要により、ディナータイムにも賑わいが戻っているとの声が聞かれた。
- 「ファッション」は、外出需要の高まりと数年に一度の寒波到来、セールの実施により、アウターなどの冬物衣料や防寒アイテムが高稼働した。
- 国内外の旅行客や帰省客の来館により、引き続き土産品が好調だった。インバウンド売上としては、ラグジュアリーブランドなどの高単価商材やドラッグストアが好調だった。