既存SC前年同月比 : ▲0.6%
年始セールの苦戦が響き前年割れ
全体概況
- 1月度の既存SC売上高は前年同月比▲0.6%となり、平成最後の新春は厳しいスタートとなった。12月のプレセールが好調だったSCが多く、その反動で年始セールの売上が伸び悩んだ。福袋販売の縮小や、暖冬による冬物衣料の苦戦も響いた。大都市のSCでは、インバウンド売上の低迷も不振の要因となった。また、今年から元日を休業としたことが売上減に繋がったというSCも見られた。
- 立地別・構成別をみると、周辺地域のテナント以外は全て前年同月比マイナスとなった。堅調に推移してきた大都市のキーテナントも同▲1.8%と、2016年10月以来2年3ヶ月振りのマイナスとなった(豪雨や記録的猛暑に見舞われた昨年7月を除く)。これは、百貨店がキーテナントとなっているSCについては中国人購買額の減少などでこれまで増加傾向にあった百貨店のインバウンド売上が2年2カ月ぶりにマイナスとなったことも影響したと見られる。
- 立地別・地域別では、全9地域のうち、関東と北陸を除く7地域で前年比マイナスとなる厳しい結果となった。北陸は昨年の記録的な大雪から一転し、今年は天候に恵まれ、北陸全体では+0.6%と前年を上回った。最もマイナス幅の大きかった中国の中心地域(▲8.2%)は広島市の一部のSCが不調で地域全体を押し下げた。また、北海道の中心地域(▲5.0%)は札幌市の一部のSCで今年から元日を休業としたことによる売上減が影響した。
- 都市規模別・地域別では、大都市は広島市が前年同月比▲11.4%と前月(同▲8.2%)に引き続き不調であった。キーテナントについて見ると、川崎市(同▲11.6%)、北九州市(同▲7.3%)もマイナスが目立った。その他の地域に関しては、四国がテナント、キーテナントともに不調で、同▲5.2%となった。
- 業種毎の販売動向をみると、新年会シーズンの需要を獲得できたなど、飲食が好調と回答したSCが最も多かった。次いで、シネコンや美容院などサービス業種が好調という回答が多かった。一方、セールの不振や福袋販売の縮小など様々な要因が組み合わさり、婦人衣料が不振という回答が非常に多かった。