お知らせ

2025/01/01 更新 2025年 年頭所感

 謹んで新年のお慶びを申しあげます。

 昨年はウクライナ、パレスチナ問題など、世界的にリスクが高まる不安定な情勢が続きました。一方、日本においては1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」、そしてその能登半島をはじめとして全国各地を襲った“過去に経験したことのない”集中豪雨など、自然災害による危機を身近に感ずる年でした。また、33年振りとなる平均5%超の賃上げや夏季賞与の増加などにより、個人消費の力強い回復が期待されましたが、その一方で、円安や原油高などによる物価上昇や将来に対する漠然とした不安感もあり、消費動向には残念ながら足踏み状態がみられました。このような状況下ではありましたが、ショッピングセンター(以下、SC)は、物価上昇の影響を受けつつも、SC主催または近隣で行われたイベントなどにより来館者数が増加し、全体的には前年実績を上回る売上げで推移した1年でした。

 売上げが回復し、また地域のインフラとしてSCの役割が高まる一方で、2025年以降の最も大きな課題として私たちが考えなければならないのは、人材の確保です。高齢化と人口減少、仕事観の変化などにより、SCにおいても特にテナント従業員の人材確保が厳しくなってきています。地域商業を支えるとともに、生活者が集うコミュニティ機能、子育て支援、雇用創出、災害時のライフライン機能など多様な役割を担い、地域に欠かせない存在へと深化することが、SCの持続的成長に不可欠だと考えていますが、これらの役割を担う人材が十分確保できていないことに対して、私は強い危機感を持っています。
 当協会では2023年10月から、ディベロッパーとテナントの関係者が集まり、テナント従業員の人手不足解消に向けて、お互いが何をすべきか議論を重ねてきました。そして、ディベロッパーとテナントが、「働きやすい環境」「安全に働ける環境」「営業時間」などの課題を共有し、理解し合い、それぞれのSCの特性を踏まえて解決に向けて取り組むことを強く推奨する内容をレポートにまとめ、当協会の会員に向けて先般、発信したところです。
 2025年はこのレポートの内容を踏まえて各SCが具体的に取り組めるよう、協会としても普及活動や好事例の発信などのフォローアップに注力して参ります。併せて、SCに共通する後方業務である毎日の「売上報告業務」の簡素化・標準化へ向けた作業も進めております。これにより業務効率化、テナント従業員の労働時間短縮が図られ、働きやすい環境づくりに寄与することになると考えております。

 さて、1月22~24日の3日間、新年恒例の「第49回日本ショッピングセンター全国大会」をパシフィコ横浜で開催いたします。多くの方々の英知の結集により、今後のSCのあり方について有益な示唆を得られる場になるものと思います。

 また、今後のSCのあり方や社会的役割を示唆するSCを顕彰する「第10回日本SC大賞」、および地域貢献に優れたSCを顕彰する「第8回地域貢献大賞(倉橋良雄賞)」について、今年の定期総会で表彰し、業界内外に発信する予定です。

 以上のように、今年、2025年もSC業界の発展に向けて鋭意努力して参りますので、引き続き当協会の活動にご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

 結びに、皆様のますますのご発展とご健勝を祈念いたしまして、私の年頭の挨拶とさせていただきます。

一般社団法人日本ショッピングセンター協会  会長  清野  智
(東日本旅客鉄道株式会社  顧問)

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