既存SC前年同月比 : +2.1%
テナントが好調で2ヶ月連続で前年同月を上回る
全体概況
- 4月度は総合で前年同月比2.1%と2ヶ月連続で前年を上回った。総合の内訳を見ると、テナントが前年同月比2.7%、キーテナントが同▲0.1%となっており、テナントの好調が全体を牽引した。
- 立地別(表1)の総合では、中心地域が前年同月比1.3%、周辺地域が2.5%となった。テナントは全立地で前年を上回ったが、キーテナントは好調が続く大都市中心地域が同5.4%であったのを除いて、中都市中心地域が▲1.0%、周辺地域が▲0.4%とそれぞれ前年を下回った。
- 地域別(表2)では、9地域のうち前年を上回ったのが5地域(北海道、関東、中部、近畿、九州・沖縄)で、中部(0.7%)を除いて北海道(2.5%)、関東(2.6%)、近畿(2.8%)、九州・沖縄(6.5%)が前年比2.0%以上の好調な結果となった。九州・沖縄は昨年発生した熊本地震の影響で一部営業ができなかったSCがあった反動があり前年比6.5%と全9地域のなかで最も伸長した。
- 都市規模別(表3)では、政令指定都市で総合2.0%、その他の地域で同2.2%となり、大都市、地方都市ともに好調であった。しかし、テナントとキーテナントの伸長率を見ると、GMSや百貨店の不振の影響もあり、地方都市のキーテナントは北海道と九州・沖縄を除いて前年を下回った。
- 業種毎の好調・不振をみると、テナントの婦人衣料が不振と回答したSCは依然として多いものの、前月と比較すると不振と回答したSCが減る一方で好調と回答したSCが増加し好不調が分かれた。
トピックス
昨年4月の熊本地震から1年が経過した。地震の影響が大きかった熊本県と大分県のSCの販売状況をみると、地震発生直後の2016年4月の調査時は前年同月(2015年4月)比で▲6.6%と大きく落ち込んだ。しかし、今期は前年同月(2016年4月)比4.6%と前年を上回っており、さらに、2017年4月と地震発生前の2015年4月とを比較すると▲2.4%となっており、震災前には届かないものの、回復の傾向がみられる。