プレスリリース

2021/02/25 更新 SC販売統計調査報告 2020年年間(速報)

既存SC前年比  : ▲22.3%

SC年間売上高(推計) :24兆9,677億円
(前年比▲21.9%・消費税抜・全SCベース)(速報値)

コロナ下での外出自粛による来館者の減少で売上は大幅減

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全体概況

  • 2020年の既存SC売上高(総合)は前年比▲22.3%と大幅に前年を下回り、テナント(前年比▲24.8%)、キーテナント(同▲12.1%)ともに大幅な落ち込みとなった。新型コロナウイルス感染症の影響で年間を通じて来館者数が大幅に減少したことが響いた。
  • 年間動向をみると、横浜に帰港したクルーズ船内での感染が連日報道されはじめた2月(総合・前年同月比▲3.3%)から、SCにおいても影響がみられはじめた。
    3月(同▲28.0%)に入ると小中高校が臨時休校となり、外出自粛傾向が一層強まるとともに、コロナ影響による売上の低下が顕著となった。4月に緊急事態宣言の対象が全国に拡大されると、生活必需品等をテナントを除き、多くのSCが自主休業を実施したこともあり、4月(同▲68.8%)、5月(同▲61.4%)は下げ幅を急拡大した。
    緊急事態宣言が解除された6月(同▲15.0%)には売上回復の兆しが見られたものの、7月中旬以降に感染者が再拡大したことで7月(同▲17.6%)は再び前月を下回る売上となり、回復の勢いは続かなかった。消費喚起策であるGoToキャンペーンの後押しを受け、売上を回復したSCも一部みられたが、8月の第2波、12月の第3波もあり、年間を通じて売上回復の波にのりきれなかった。
  • 『立地別・構成別』をみると、立地別では、「中心地域・大都市」が前年比▲34.1%と最大の落ち込みとなった。新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた「外出自粛」「3密回避」「テレワーク拡大」といった生活様式が浸透するとともに、公共交通機関が主な手段であり広域集客を中心とするSCに大きな影響を与えたことが要因と感がられる。また、構成別では、コロナ下の特徴として、キーテナントに比してテナントの下げ幅が拡大していることが挙げられる。
  • 『立地別・地域別』では、北海道が前年比▲32.5%となり落ち込みが際立った。立地別内訳をみても、中心地域(同▲35.0%)、周辺地域(同▲27.6%)ともに全9地域中最大の落ち込みとなった。また、『都市規模別・地域別』からも北海道の苦戦が分かる。札幌市(総合・前年比▲32.5%)、北海道(札幌市以外。同▲32.5%)ともに大きな減少となっており、「大都市」「その他の地域」の区分によらず北海道全体で売上不振だったことがうかがえる。これは、北海道では感染拡大が他地域に先駆けてみられ、2月28日から独自の緊急事態宣言が発出されたこと(3/19解除。なお、3月は総合で前年同月比▲45.2%)、加えて、他地域に比して年間を通じ感染拡大の波が多く外出自粛等の影響が長引いたことが要因と考えられる。
    札幌市以外の「大都市」では、郊外からの来館を見込むSCの構成比が高い東京区部(総合)が前年比▲30.5%、インバウンド客減少等の影響が加わった福岡市(同)が同▲31.1%と前年売上を3割超も下回る結果となった。
  • 新型コロナウイルス感染拡大防止を受けた生活様式の変化にSCは大きな影響を受けた。オフィスや文化・娯楽施設が集積し、「街」としての集客力が高い大都市中心部に立地するSCは来街者減少の影響を受けて売上を大幅に減少させた。一方、郊外部のSCはテレワークの浸透もあり平日に近隣からの来館者数を伸ばした。また、新型コロナウイルス発生以前まで比較的好調だった飲食テナントが大幅な不振に転じる一方で、生鮮、惣菜等の中食が堅調に推移するなどの傾向がみられた。

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