既存SC前年同月比 : ▲17.6%
新型コロナウイルス感染再拡大や天候不順の影響により前月より悪化
全体概況
- 7月度の既存SC売上高は総合で前年同月比▲17.6%となり、前月(▲15.0%)より2.6ポイント悪化した。7月中旬から新型コロナウイルス感染者の再拡大が顕著となり、外出自粛傾向が強まったこともあり、多くのSCが客数減となった。7/22には国内感染者数795人を記録し、緊急事態宣言下である4/11の720人を上回ったこともあり、7/23からの4連休での客足を鈍らせた。加えて、長梅雨や九州・中部・東北の豪雨災害などの悪天候もマイナス要因となった。
- 立地別・構成別では、テナントが前月(▲17.1%)から2.8ポイント減の▲19.9%、キーテナントは前月(▲7.0%)から1.5ポイン ト減の▲8.5%となり、ともにマイナス幅が広がった。前月同様、公共交通機関が主な来館手段となる中心地域・大都市で前年を大きく下回った(▲32.6%)。また、生活必需物資を販売する食品スーパーやGMSが主である周辺地域のキーテナントは、前月に▲1.9%まで回復したものの、今月は▲3.8%に悪化し、これまで下げ幅の少なかった周辺地域での消費マインドの低下が懸念される。
- 立地別・地域別をみると、前月と比べ、関東地域と近畿地域の下げ幅が大きい。これは、東京区部や大阪市といった中心地域の駅ビル・地下街などで、感染拡大防止に取り組んでいるものの、消費者の密に対する心理的懸念が未だ生じていることが推察される。
- 都市規模別・地域別では、「大都市」に比べ、「その他の地域」において前月からの落ち込みが大きい(▲9.5%から▲12.5%に悪化)。特に、東北は新型コロナウイルス感染拡大の影響が出始め、九州・沖縄は豪雨被害の影響もあり、それぞれ外出自粛により来館数が減ったことが影響したと思われる。
- 業種別の動向を見ると、ステイホームのライフスタイルが定着したためか、自宅で調理できる生鮮食品、テレワーク用の家電家具、娯楽用としてゲーム機器等の販売が好調であった。一方、アパレルは、春物衣料の値引き販売等により前月は好調だったが、今月は長梅雨により気温の低い日が多く、夏物衣料の販売が苦戦した。また、会食自粛の続く飲食やシネマ等のサービス業種も引き続き苦戦が続いている。