既存SC前年同月比 : ▲61.4%
緊急事態宣言の延長を受けた休業の影響が継続
全体概況
- 5月度の既存SC売上高は5/4の緊急事態宣言の延長の発表を受けて4月からの休業を継続したSCが多く、総合で前年同月比▲61.4%と大幅なマイナスとなった。緊急事態宣言の解除が5/14に8都道府県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府、兵庫県)を除いた39県で、その後、5/21に3府県(京都府、大阪府、兵庫県)、5/25には残りの5都道県(北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)と続き、それぞれの地域でSCは営業を再開した。再開後は郊外エリアを中心に客足が戻ってきたとの回答もみられたが、大型連休中の休業の影響もあり前月(▲68.8%)からは7.4ポイントの改善に留まり大幅な回復とはならなかった。
- テナント、キーテナント別にみると、テナントは衣料品、雑貨、飲食、サービスなどの店舗が休業した影響を大きく受けて▲69.1%と大きく落ち込んだ。一方でキーテナントは食品スーパーやGMSなどが営業継続をしたこともあり▲28.2%の減少に留まった。前月と比較するとテナントは前月からは7.1ポイント増、キーテナントは9.0ポイント増と両者ともにマイナス幅を縮めた。
- 立地別・構成別をみると、緊急事態宣言の解除が21日以降となった地域が多く含まれる中心地域・大都市は休業期間が長期間にわたったこともあり総合で▲81.3%と最大の落ち込みとなった。周辺地域は総合で▲54.4%と落ち込んだものの、キーテナントは営業を継続した食品スーパーやGMSの構成比が高かったこともあり▲18.2%と下げ幅は最も小さかった。
- 立地別・地域別をみると、全ての地域で前年同月を下回ったものの、全9地域のうち、北海道を除く8地域で前月よりも下げ幅を縮めた。なかでも東北、中部、近畿、四国、九州・沖縄の5地域は約10ポイント以上改善した。なお、前月を下回った北海道(総合で▲87.2%)は大型連休中の休業に加えて緊急事態宣言の解除が25日となり休業日数が4月と比較して増加した影響を受けた。
- 都市規模別・地域別をみると、総合で大都市は▲69.3%、その他の地域は▲55.2%となった。その他の地域は大都市と比較して回復が早く両者の差は前月の9.8ポイントからを14.1ポイントに拡大した。また、京都市は郊外エリアのキーテナントが牽引して総合で▲34.5%と大都市では唯一30%台の下げ幅となった。