既存SC前年同月比売上高伸長率 :+12.4% (参考・2019年同月比 :+0.3%)
夏まつりなどの地域イベントによる外出機運の高まり、猛暑による盛夏商材の高稼働などにより、2桁伸長
全体概況
- 7月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+12.4%となった。
- 地域イベントによる外出機運の高まりや、インバウンド客増加などの影響により来館数が増えた。また猛暑による盛夏商材の高稼働もあり、前年比2桁伸長となった。2019年と比較すると総合で+0.3%となり、コロナ禍前を上回った。
- 立地別にみると、中心地域は総合で+17.4%、周辺地域は+10.3%と、ともに2桁伸長となった。夏休みによる外出機運の高まりに加え、国内外の旅行客などが増加したことで、とくに中心地域の大都市が好調だった。
- 業種別にみると、「ファッション」はサマーセールの開催や連日の猛暑により、盛夏商材が高稼働した。「雑貨」は外出機運の高まりにより旅行用品が好調だった。また、冷感グッズなどの暑さ対策商品や日傘、サングラスなどの紫外線対策商品も高稼働した。「飲食」は旅行客やイベント帰りの来館者が多く、立地や地域問わず好調だった。
[立地別]
- 中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+21 .6%となった。引き続き国内外の旅行客が来館し、大幅な伸びにつながった。観光地や旅行客の往来が多いターミナル駅周辺のSC、地下街がとくに好調だった。
- 中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+9.8%となった。観光地や繁華街に立地するSCが好調だった一方、全国旅行支援が6月末で終了した地域では、来館数が減ったとの声がきかれた。
- 周辺地域は総合で前年同月比伸長率+10.3%となった。レジャー需要にも対応する広域商圏の大型SCが好調だった。
[地域別]
- 北海道は、総合で前年同月比伸長率+11.4%となり、九州・沖縄に次いで2番目に伸長率が高かった。国内外の旅行客や野外イベント、インターハイ開催による来館数の増加が要因となり、7月では過去最高売上を達成したSCもみられた。中心地域は2桁伸長となり、2019年比でも総合で中心地域+7.8%、周辺地域+2.5%とコロナ禍前を上回った。
- 関東と近畿はそれぞれ総合で前年同月比伸長率+12.5%、+13.6%となった。国内外の旅行客、とくにインバウンド客の来館数が増加したことで、大都市を中心に2桁伸長のSCがみられた。
- 九州・沖縄は総合で前年同月比伸長率+15.0%と、他地域と比較して最も伸長率が高かった。とくに福岡市は大都市で最も高い+23.5%で、インバウンド客や水泳の世界大会開催などによる来館数増加が売上げに寄与した。一方で、7月上旬の九州北部での記録的大雨による影響を受けたSCもみられた。
[業種別]
- 「ファッション」は、サマーセールの開催や連日の猛暑により盛夏商材が高稼働した。ファッション雑貨としては、外出機運の高まりによりサンダルなどの靴が好調だった。
- 「雑貨」は、夏休みに入ったことで外出機運が高まり、鞄などの旅行用品が好調だった。また、冷感グッズなどの暑さ対策商品や日傘、サングラスなどの紫外線対策商品も高稼働した。
- 「飲食」は旅行客やイベント帰りの来館が多く、立地や地域問わず好調だった。団体利用やディナータイムのアルコール需要も高まっているとの声がきかれた。