既存SC前年同月比売上高伸長率 :+7.6% (参考・2019年同月比 :▲3.7%)
新型コロナウイルスの5類移行に伴い来館者が増え、前年を上回る
全体概況
- 5月度の既存SC売上高の前年同月比伸長率は、総合で+7.6%となった。
- 5月8日からの新型コロナウイルスの5類移行や、引き続き実施されている全国旅行支援により来館者数が増え、前年超えとなった。コロナ禍前の2019年と比較すると総合で▲3.7%となっているが、都市規模別でみるといくつかの大都市では2019年を上回った。
- 立地別にみると、中心地域は総合で+11.5%、周辺地域は+5.8%となった。ゴールデンウィークで外出機運が高まったことや国内外の旅行客などが増加したことで、とくに中心地域の大都市が好調だった。
- 業種別にみると、「ファッション」は軽衣料やサンダルなどの夏物商材が高稼働した。旅行客の土産やゴールデンウィークの手土産需要に加え、母の日のギフト需要もあり「食料品」も好調だった。旅行客の来館やコロナ感染対策緩和により、立地や地域問わず「飲食」が好調だった。「サービス」はシネマのほか、旅行、美容関係が好調だった。
[立地別]
- 中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率+14 .5%となった。引き続き国内外の旅行客が来館し、大幅な伸びにつながった。観光地や、旅行客の往来が多いターミナル駅周辺のSCがとくに好調だった。
- 中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率+6.6%となった。観光地や繁華街立地のSCが好調だった一方、ゴールデンウィークで地元客が遠出したため来館が減ったSCもあった。
- 周辺地域は総合で前年同月比伸長率+5.8%となった。ゴールデンウィーク中に館内イベントや館周辺でのイベントがあったSCは来館が多かった。
[地域別]
- 北海道は、総合で前年同月比伸長率+21.1%となり、他地域と比較して最も伸長率が高かった。国内外の旅行客や館周辺でのイベント、コンサート開催による来館で、引き続き好調だった。2019年比でも総合で+1.1%とコロナ禍前の水準を超えた。
- 関東は、総合で前年同月比伸長率+7.0%となった。国内外の旅行客、とくにインバウンド客の来館で、東京区部を中心に2桁伸長のSCがみられた。母の日のギフト需要で、衣料品、雑貨、食料品、生花などが好調だった。
- 近畿は、総合で前年同月比伸長率+8.1%となった。土日の悪天候で苦戦したSCもあったが、国内外の旅行客が多く訪れた観光地や繁華街立地のSCは2桁伸長と好調だった。
[業種別]
- 「ファッション」は、軽衣料やサンダルなどの夏物商材が高稼働した。引き続き昼夜の寒暖差があったため、薄手の羽織り物も好調だった。
- 「食料品」は、修学旅行含む国内外の旅行客の土産やゴールデンウィークの手土産需要に加え、母の日のギフト需要もあり好調だった。
- 「飲食」は、国内外の旅行客の来館やコロナ感染対策の緩和により外食意欲が高まり、立地や地域問わず好調だった。ランチやカフェは引き続き好調だが、夜間の客数やアルコール需要がコロナ禍前ほど戻っていないとの声が聞かれた。
- 「サービス」は、前月に続き話題作が公開されたシネマのほか、旅行、美容関係が好調だった。
- 「その他」ゴールデンウィークで外出機運が高まったことにより、生活雑貨や書籍、家電などのイエナカ商材が苦戦しているとの声が聞かれた。