プレスリリース

2022/08/25 更新 SC販売統計調査報告 2022年7月

既存ＳＣ前年同月比売上高伸長率：＋５．５％　（参考・2019年同月比： ▲１０．７％）
前半は好調に推移したものの、後半は感染者急増により伸び悩む

7月度の既存ＳＣ売上の前年同月比伸長率は、総合で＋5.5％となった。
前年同月は、11都道府県（北海道、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県、沖縄県）で緊急事態宣言等が発出されていたことから、その反動増が見られた。上旬までは新型コロナウイルス感染状況が落ち着いており、夏のセールやイベントの実施により来館者が増え、売上を伸ばしたＳＣが多かった。中旬以降は全国的に新型コロナウイルス感染者が急増したことや、悪天候の影響もあり、来館者が減少し、売上が伸び悩んだ。2019年7月と比較すると、▲10.7％とコロナ禍前の水準は下回っているものの、前月に引き続き売上が回復傾向にあることが見てとれる。
テナントは、前年同月比伸長率＋6.8%となった。業種別にみると、行動制限等がなく外出機会が増えたことにより、飲食が好調であった。また、気温が高めに推移したことにより、夏物商材の動きが活発化した。
キーテナントは、前年同月比伸長率＋0.7％となった。前年同月は宣言等の発出による巣ごもり需要で、GMSやSMにおいて生鮮食品等の買い溜めが見られたが、当年はその特需の影響が薄まった。

中心地域・大都市は総合で前年同月比伸長率＋13.3%となった。行動制限がないなか夏休みに入ったことで、旅行客や地方からの来館が増え、テナント、キーテナントともに他の立地と比較して伸長率が高かった。
中心地域・中都市は総合で前年同月比伸長率＋6.1％となった。3年振りに開催された花火大会や夏祭りの参加客による飲食利用が好調だったという声が聞かれた。
周辺地域は総合で前年同月比伸長率＋3.5%となった。キーテナントは外出機会の増加により、前年のような食料品の買い溜め傾向が落ち着いてきたことから、▲0.1％とわずかに前年を下回った。

北海道は、総合で前年同月比伸長率＋17.8％となった。前年は11日までまん延防止等重点措置が発出されており、時短営業や酒類提供の制限の影響により売上が落ち込んだが、当年は制限緩和により旅行客や地方客の来館が回復し、売上が増加した。
関東は、総合で前年同月比伸長率＋7.7％となった。東京区部は前年は11日までまん延防止等重点措置、12日以降は緊急事態宣言が発出されていたため千葉県、埼玉県、神奈川県への流出がみられたが、本年はその反動もあり前年同月比伸長率＋12.3％と二桁台のプラスとなった。
近畿は、総合で前年同月比伸長率＋0.7％となった。前年同月、京都府、兵庫県は11日まで、大阪府は月を通してまん延防止等重点措置が発出されていた。本年の大阪市は前年の反動増で＋8.8％とプラスになった一方、京都市、神戸市は前年時点でまん延防止等重点措置解除による堅調な売上がみられたため、本年はその反動がなくマイナスとなった。
四国、九州・沖縄は、新型コロナウイルス第7波に加えて線状降水帯の発生による悪天候により来館者が減り、四国が▲2.9％、九州・沖縄は＋2.2％となった。

ファッションは、夏のセール実施や気温が高めに推移したことにより、プロパー商品も含めて夏物衣料が稼働し好調だった。
飲食は、地域の祭りなどのイベント開催や夏休みに入ったことにより、観光客の来館が増え好調だった。ただし、引き続きランチタイムは賑わいを見せるものの、ディナータイムの引きが早いという声が聞かれた。